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サイバーウォー
メーカー:ココナッツジャパン
発売日:1998年9月10日
ハード:PlayStation
ジャンル:インタラクティブゲーム&ムービー
入手難易度:★★☆☆☆
価格目安:100円
記述日:2012年12月1日
グラフィック:★★★☆☆
サウンド:★★☆☆☆
操作性:★★☆☆☆
システム:★☆☆☆☆
ストーリー:★☆☆☆☆
難易度:★★★★☆
ボリューム:★★☆☆☆
総合評価:E
全ての始まり、もとい諸悪の根源
良くも悪くも今更初代プレステが大が付くほど好きになったきっかけを作ってくれたのは本作だったりする。
プレステを完全に過去の産物のような冷たい見方をしていた僕にプレステの奥深さを教えてくれた作品だと言えるだろう。もちろん良くも悪くも。
しかしまぁクリアするまで途方もない時間がかかった。いや、クリア自体は二日でしたんだが。出会ってもうすでに六年は経った気がする。初めて出会ったあの頃からコイツは名前もパッケージも今と変わらずダサかった。
側面のプレステのロゴが水色なのには今でも鳥肌が立つし、パッケージCGの解像度の低さもたまらない。そしてそれ以上にロゴデザインに関してはどこか懐かしさすら感じる素晴らしいデザインだ(特に濁点がカクカクしている所)。そして、裏のキャッチコピー「ゲームと映画の最強タッグ!」もなんともいえない哀愁が漂う魅力を放っている。
いや、今までなぜ僕が真面目にコレをプレイしようと思わなかった理由の中には絶対「パッケージでお腹いっぱい」が入っている気がする。けっ!決して貶しているわけじゃないぞ!
ゲームと映画の繋がりはVHSで!
ではストーリーの話をしましょうか。
「私は誓った・・・二度とバーチャルリアリティの世界に戻ることはないと。ジョーブは死に、私の研究も彼の死とともに、永遠に葬られたはずだった。だが、今になって思えばあれほどまでに残酷な悪魔の息の根を本当に止める事ができたのだろうか・・・?おりしも、ショップはわたしの研究を盗み、そのプロジェクトを北方基地へと映したのである。どこかで、私のプログラムは塗り替えられ、狂気に満ちた巨大な破壊力を生み出そうとしていた。私の研究の全てを消し去るために、再び戦場へと戻って来たのだが・・・成功するかどうか、今はただやってみるほかなかった。」
ご覧の通り意味不明だが、残念ながらエンディングまでずっと意味不明である。どうやらストーリーを深く理解するには、コラボ先のSF映画「バーチャルウォーズ」を見ないとダメみたいだ。どうやらDVDにすらなってないみたいだけど。
20回くらい死んで覚えろ!
ゲームの流れとしては、立ちはだかる様々なミニゲームをクリアしていくというモノだ。
ミニゲームの中身は迷いまくる迷路や、とてつもなく脆い乗り物の運転、10秒(?)で解かなきゃいけない謎解き、操作が理解できるまで死にまくる射撃などで、当時の洋ゲーには良くあったCGムービーが流れ、状況に応じて指定のボタンを押す事で進展していく古き良き(?)システムだ。
もちろん当時の古き良き洋ゲーらしいシビアなボタン判定や時間制限のおかげで難しい上に死にやすく、ストーリーもよくわからないまま何度も何度も死にまくる。当然途中で投げ出したくなるが、ここで諦めてはいけない!いや、諦めても別にいいけど、本作をクリアしていくには見落としがちな彼の力が結構な具合で必要なのだ。そう、それは説明書!
本作は進めていく上で必ずと言っていいほど説明書を読む必要がある。最近の作品は説明書を読まなくてもチュートリアルがあり、だいたいの事はプレイしていく上で理解していけるが本作は読んでいなければ一歩も先に進む事が出来ない。古き良き洋ゲーの説明書の重要性は日本のゲームの比ではないのだ。なんてったって全クリの条件まで載ってるのだから。まぁ読んでもわからな事だらけなんだけどね・・・。
メモリーカードはいらない!
そして驚く事に本作ではプレイステーションというハードでは珍しくセーブ、ロードはメモリーカードを使用せずなんとパスワードを使っている。
なんとも古めかしさを感じるが死にまくる本作では意外とこれがハマっているのだ。一度でも死ぬと最初からやりなおしという厳しい仕様のため、いちいちメモリーカードからロードするよりパスワードを打ち込んだ方が早いのである、しかも次に死んでも前に打ち込んだパスワードを覚えていてくれるのでメモリーカードより早くやり直す事ができるのだ。(コンティニューさえあればいいだけの話なんだが)
しかしセーブ(パスワードの表示)は甘くない、セーブには回数制限が設けられており難しいミニゲームを後回しにして、簡単なゲームをノーミスでクリアしてからセーブして難しいゲームに挑むなどと段取りよくセーブしていかないとクリアできないのだ。意外とこれが曲者で本作の難しさをさらに底上げしている。難易度はセーブ回数によって変わるようで、僕は悔しいがイージーでプレイしてしまった。なにはどうあれメモ帳必須である。
振り返れば・・・
それにしても驚きや謎が残る作品だった。死ぬと必ず流れる謎の長いムービー、ゲームをクリアしても延々と繰り返されるスタッフロール、やっとの事でクリアしたというのに達成感は微塵もなく、残されたのは繰り返されるスタッフロールを虚しく見つめる僕だけであった。
全く最後までプレイヤーを突き離し、魅せてくれる作品であった。こういう作品はやはりプレイステーションという魑魅魍魎メーカーが最も集ったハードだからこそ生まれたのだろう。もうこのような作品が生まれる事はないかもしれないと思うと少しだけ、ほんの少しだけ寂しい気がしなくなくもない。
評価はギリギリD・・・いや、やっぱりE
にしても所々顔が出てくる現実世界のアンジェロ博士の役者さんはなんと五代目ジェームズ・ボンドの「ピアーズ・ブロスナン」だったという事にはホントに驚いた。