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SIMPLE2000シリーズ vol.72

THE 任侠

メーカー:D3パブリッシャー

開発:ヴァンテアンシステムズ

発売日:2005年2月27日

ハード:PlayStation2

ジャンル:アクション

入手難易度:★☆☆☆☆

価格目安:500円

記述日:2012年08月25日

グラフィック:★★★☆☆

サウンド:★★☆☆☆

操作性:★★☆☆☆

システム:★★★☆☆

ストーリー:★★☆☆☆

難易度:★★★★★

ボリューム:★★★☆☆

総合評価:C

シンプルが織りなす極道の道!

 「龍が如く」極道の世界というディープな大人の世界を家庭用ゲームの世界で展開し大ヒットし今も新作が作られ続けているシリーズだ。組と組との抗争、ドラマティックに展開するストーリー、まさに新しい大人向けゲームの形であった。
 そのヒットを知ってか知らずか我らがシンプルシリーズからもヤクザなゲーム「THE 任侠」が発売されていた。おそらく「龍が如く」を意識して制作されたであろう本作、さてどのような仕上がりの作品になっているだろうか。

着せ替えヤクザ!ヤクザだらけ!ヤクザしかいない!

 本作もまた本筋のストーリーは組と組との抗争であり、ドラマティックに展開するストーリー(?)も用意されている、主人公はストーリーが進むにつれ活躍が認められ、組内でのの地位を確立して行く。でもまぁ覇権争いやら出会いやら裏切りやらがありありのベタな話である。
 アクションゲームとしては本作は3Dのベルトスクロールアクションだ。素手の他にも木刀やドス、拳銃などヤクザライクな武器でチンピラどもと戦う事ができる。もちろん個性的なボスも登場したりする。でもまぁよくあるベルトスクロールアクションだ。
 しかし見所はストーリーでもアクションでもない!本作の醍醐味は「着せ替え」にあるのだ!主人公の能力はショップで購入出来る「髪型」「顔」「上半身」「下半身」「足」の五つの部位に別れたパーツを装備する事によってステータスや技が追加されたり、特殊技が使えるようになったりするのだ。
 そのパーツのバリエーションも豊富で、革ジャンやスーツにサラシ、スキンヘッドからバーコード、パンチパーマにリーゼント、眼帯、水玉模様のスーツ、果てはふんどしなどネタとしか思えない商品も豊富に取り揃えている。
 そして主人公を上下革ジャン皮ズボンにサングラスでイケメンにしたり、スキンヘッドにして眼帯を付けて、まるでストⅡのサガットみたいな格好させたりと主人公自体はそれなりに男前顔なのに服装と髪型が変わるだけでここまで人間変わるのかと思うくらいの変貌を遂げてくれる。
 しかもシリアスなイベントシーンで主人公だけ着せ換えたままの格好で活躍してくれるのでかなり笑えてくる。(しかも主人公の声だけはヤクザとは思えぬさわやかボイスなのでなおさら笑える。)
 もうこれだけでこの作品は「バカゲー」と言っても良いのだが、他にも乗り込んだ先が矢が降り、自動機銃、迷路が蔓延るからくり屋敷だったり、自由に歩き回れる街にはヤクザしかいなかったり(一般人がどうみてもチンピラ)、街なのに普通に日本刀や銃を持って歩いている主人公にいきなり襲って来たりと戦々恐々とした無法地帯っぷりがこの作品をさらにシュールなものにしている。

男なら拳一つで勝負せんかい!!!

 こんな笑わせてくれる本作は正にバカゲーなのだが、ゲームとしては前述の通りよくあるベルトスクロールアクションと書いたが内容はかなり真面目に作られている。 だけど難易度が並の難しさじゃなかった。歯ごたえがありすぎである。
序盤はともかく後半はとにかく敵が強く大勢で襲ってくる、それに加え強力な武器を持った敵も登場し難易度はかなり高い。マジで。
 だがコチラも日本刀や拳銃などの武器を使いまくればクリア出来ない事は無い。
だが「男気溢れる任侠の世界で素手の相手にドスやハジキで勝負を挑むのは、男としていかがなものか。」という制作者の意図があるらしくゲーム中は「男気ゲージ」という表示されないゲージが存在する。
 これは受けたダメージや武器の使用回数で減って行くもので、このゲージが残っている状態かそうでないかの状態でストーリーが分岐するというシステムだ。つまりより良いエンディングを迎えるためには極力武器を使わず男はどんな相手にでも拳一つで勝負しなければならないのだ。もしゲージが無くなってしまえば最悪の場合、組を破門され三話目で即スタッフロールだってある。
なぜかこの事は大事な事柄のはずなのに説明書では一切触れていない。何故だ。
 さらに後半になると楽しかったはずのパーツの着せ替えは、ガードするにも、ダッシュからのキックも、能力アップもそれ専用のパーツが必要で、後半敵からの猛攻を受けるプレイヤーにお気に入りの服を選べる悠長な選択肢はない。しかもそこでベストなパーツを選んでもやっぱり武器を使わないと・・・それだけ難しいのだ。
 これで初めからガードもダッシュからのキックも緊急回避も備えてあるか、レベルアップで徐々に能力が開放されて行く方式ならもう少し楽に戦えたはずなのに・・・。いや男ならこの方式でいいのか・・・いいのか?

でも満足感はある!

 といってもストーリーにあるわけではなく、歯ごたえありまくりの難易度も裏を返せばサクサククリアして「これで終わりかよ!」と思うよりは幾分満足感を得られるし、パーツの着せ替えも本当に面白かった、クリア後の二人でプレイ出来るチャレンジモード「二人で任侠」も今まで登場したボスが使えたりと、かなり充実した内容でクリア後も楽しむ事が出来る。振り返るとその難しさに恐れおののいた事もあったけどそれなりに笑わせてくれて楽しめた作品でした。難しいけど。
評価はC
あと主人公は桐生ちゃんを見習え(強さ的な意味で)。

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